協会理念

ルールに込めた理念

私たち、JDBAが普及すべきことはドッジボールそのものではありません。では、何か? それはルールに込めた理念「自主性、つまり自分で感じて考え行動すること」「自己責任、つまり自分の行いに責任を持つこと」「向上心、つまり常に前向きに努力する姿勢」これらの大切さを普及することこそ、私たちの目的です。特に、次世代を担う子どもたちに、ドッジを通じそれらを伝えていくことが大きな使命なのです。

ドッジが最適

他のスポーツや遊びでも、私たちが目的とする事柄は伝えられると思います。しかし、ドッジが最適であるのは、その間口の広さにあります。ひとつに、3世代、4世代に渡り実体験があるということです。しかも男女を問わずです。その実体験をもとに家族が話し合えるような種目は他に見当たりません。

マイナスをプラスに

ドッジという語源は「かわす、逃げる」という意味です。本来「かわす、逃げる」という言葉はマイナスなイメージにつながりますが、ドッジボールではその「かわす、逃げる」が神髄なのです。“運動は苦手”という子どもたちにとっても容易に参加できる種目です。上手に逃げることができればヒーローにもなりえるのです。つまり、マイナスのイメージをプラスのイメージに転換できるのです。

社会人として、人として

ルールに込めた理念はどうして必要なのか? それは子どもたちが成長し社会人になったとき、大きな意味で言えば、人生や世の中と向き合うために必要なのです。自己の確立は必要です。しかし、自分勝手とは意味が違います。団体種目のよい点ですが、ひとりでプレーすることはできません。チームメイトはもとより相手チームなど、他人を尊重せねば成立しないものです。まさにこれは社会そのものなのです。子どもの頃から、自分と世の中の関わりを、ドッジの中で疑似体験することにより、やがて出てゆく実社会で、その体験を活かせるのです。人として“あたりまえのこと”なのですが、残念ながら現在の世の中で忘れられていることです。私たちは、この意義を再確認しドッジを普及していきます。

目的と目標

試合となれば勝ち負けはあります。当然、勝利することは嬉しいことです。ですから、目的を充分に理解した上で、勝利を目指すことはよいことです。それは目標ということになります。しかし、ここでも一番重要なことは、その目標に近付くためには“どうしたらよいか?”“何が必要なのか?”と、個人個人が考えることが大切です。また負けた場合でも“なぜ負けてしまったのか?”と、考えることも必要です。大人があらかじめ答えを用意するのではなく、子どもたちに考えるヒントを与えることが大切です。私たちは、指導者へこの考え方を強く求めます。

統一ルールの必要性

統一ルールの必要性は全国大会を開催するためだけにあるのではありません。多くの人たちとコミニュケーションをとる道具として必要なのです。例えば、地方に根ざした方言があるように、それは、その地域の文化です。文化は大切にしなければなりません。しかし、加えて共通語があれば万人と会話をすることができ相互理解につながります。統一ルールはいわば共通語なのです。
例えば(1)、12名という選手の数。この少子化時代において12名もの子どもが集まるというのは大変なことかもしれません。最近では学年毎の横のつながりはあるものの、上下の関係が希薄になっていると言われます。これが大人の社会にも影響し、世代が違うと旨くつきあえないといった状況を生み出しています。これは単なる年功序列を肯定するものではありません。世の中は性別も年齢も違う人たちの集合体です。強い人も弱い人も様々です。もし同じ学年で人数が足りずチームが作れないならば、弟も妹も加えればよい。そして試合に勝ちたければ、年上の者は年下の者を庇い、その反面年下の者は年上を慕うようになります。理由はどうであれ、結果的に思いやりや他人との摩擦も含め、みんなで共存する術をドッジから学ぶのです。

例えば(2)、ダブルパスの禁止。簡単に言えば、自分の代わりにボールを投げてもらうことを禁止しました。これにはふたつの理由があります。

ひとつは、いくら逃げることが上手であってもボールを手にしてしまうことはあります。そのとき、他の誰かに代わって投げてもらってばかりいたらどうでしょうか? 人生において好むと好まざるとに拘わらず、様々な出来事が我が身に降り掛かります。旨くかわすこともできるでしょうが、すべてがそう旨くいく訳ではありません。最後は自分の力で切り抜けなければならないのです。だから、どんなひょろひょろ球であっても自分の責任で投げ切らなければならないのです。またそうすることにより、達成感を味わってほしいのです。

ふたつ目の理由は、本来あるべきリーダー像の確立です。能力の高い選手が自らは動かず、ボールを仲間に集めさせ投げるだけでは、それは単なる傲慢なプレーになってしまいます。能力に優劣があるのは当然ですが、リーダーとは人一倍働き、その行いを周囲に認められた者を意味します。リーダーとは決して楽をしてもよいという存在ではありません。

例えば(3)、外野のワンタッチ。このルールについては賛否の意見があります。ひとつ決め事をすると、プラス面とマイナス面が生じます。なかなかすべてが収まるというのは難しいかもしれません。その場合、迷いなくプラスに作用するものを選択します。そのひとつがこのルールです。外野の選手はとにかく頑張ってワンタッチすることによりマイボールにすることができます。“パスミスではないか”という指摘もありますが、仲間のミスを積極的にカバーする行為を促す方が、より意味のあることだと思うのです。

…などなど、私たちのドッジのルールには様々な理由が、その柱となっています。

いつまでも

子どもたちだけではなく、日本、世界中のすべての人たちが楽しめるドッジにしていきたい。それが私たちの願いです。「いつでもどこでも誰とでも、そしていつまでも」のキャッチフレーズ通りです。

私たちは社会に貢献しているという自負

単にドッジを普及しているのではなく、私たちは驕ることなく謙虚に、しかし確実に社会に貢献しているのだという自負を胸に活動することを忘れてはなりません。

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